2022
10.07

グリープのオリジナル制作ガイドライン、項目ひとつひとつに理由と歴史あり、ということよ。【vol.1】

Intelligence

これ、シリーズ化しようかなと思います。
なぜならば電子書籍制作をメイン事業としている会社だから。

いよいよ僕たちの魂を(不定期に)ちょい出しする時期がやってきたと思いまして。
・・・と、ブログの導入は毎回抽象的ですみませーん (((((ノДノ)エーン

――電子書籍制作の会社として立ち上げ、一年半弱。
――純粋に「制作」技術を極め、更に高みを目指し続ける一方で、
――電子書籍というコンテンツの価値と可能性を自分たちで作り上げていき、
――「ソリューション事業」という旗を掲げ、雰囲気で終わらせない具体的な事業に発展させてゆく。

方向性はもとより定まってはいたのですが、具体的にどう展開するか、に目を向けるようになってきました。特に今年に入ってから。
立ち上げたばかりの若い会社だからとか、地方だと都会に追いつくの大変だよねとか、ゆるふわぶっている場合ではないなと、いよいよもって思っている本日。
10月なのに真冬のような寒さなので、若干平常心を失っているかもしれない広報 スタッフseri でございます。

というのも、ブログの他の回でも何度か触れていた(ような記憶がありますが、夢と現実の境目が曖昧なのが広報氏ぃなので、どの回だったかはざっくり)のですが、「人とのご縁に恵まれている」という、大変な強みがございまして、当社。

仕事は適材適所なので、人様に対して「良い悪い」という判断はしませんが、「グリープの事業内容に合う合わない」は明確に判断します、というか、出来ます。
採用する側される側、双方にとって、そこは濁さずはっきりと告げた方が幸せだと考えている、というのは前回の記事で少々触れたところです。

なので、今ここにいるスタッフは、非常に電子書籍制作、及び周辺事業ソリューション事業に適しており、コンテンツの価値を見極め新たな価値を生み出す力があります。

そんなナイススタッフが揃っているのに、アクションを起こさないわけがないでしょう。
もったいない。

事業の幅も厚みも大きくしていくようになります。
期待して頂けるととても嬉しいです。

とはいえ、これからどのような展開を見せるにしても、根本にあるのは「電子書籍制作で培ってきた力(ちから)」です。

電子書籍元年」と呼ばれている2010年。
僕らチームの最古参が電子書籍の世界に足を踏み入れたのが2012年。

2年の遅れをカバーしてくださる方々にも恵まれ、試行錯誤を繰り返し(…血反吐レベルに表示不具合を起こす端末アリ、それを端末のせいにして諦めるわけにもいかず、HTMLファイルの記述がトリッキーな幻覚に見えさえした日々よ…)、ここまでの10年で、他に類を見ない美しさで電子書籍を制作するまでになりました。

今や新参さんたちもナチュラルに美しい電子書籍を作るわけです。
それが当社にとっての当たり前であり、電子書籍が価値あるコンテンツであり続けるために重要な要素でもあります。
つまり、当社にとっての当たり前という次元に留めているわけにはいかないということです。

では、美しい電子書籍とは何か?
――緻密に記述されたソースコード
――過不足なく整えられたCSS
――容量やサイズをこまかく指定した画像群
――的確にチェックされたOpen Packaging Format 

こういった、「一見(いっけん)しただけではわからない」部分まで高度にルール化し、仕様とし、それを厳守し、日々情報を仕入れてアップデートしているスタッフが作った電子書籍のことです。
(でも柔軟性がある優しいスタッフですよ、皆。ご安心ください笑笑笑)

正直に申し上げれば、オモテに出ない中身の部分、つまりHTMLとCSSが未整理だったり不足していたりしても、恰もきちんとした電子書籍のように映ってしまうんですよね、画面上。
そういうところ、ある程度RSが優秀なのか、逆にザルなのか・・・

しかし、正しく表示されないRSがあった場合、或いはアプリのアップデートや端末のバージョンアップ等によって映っていた筈の書籍が上手く表示されなくなった場合、その電子書籍が張りぼてだとバレる瞬間です。

不具合が出た原因はわかりますか?
不具合をきちんと直せますか?
そもそも不具合が出ないように作るのが意味のある、意義のある、先に繋がる「仕事」では?

電子書籍後進国と言われてきた(表現はそれぞれだったかもしれませんが、電子書籍の普及率が海外に比べて非常に低い、という意味で)日本で、突貫でもいいから、とにかく「コンテンツの電子化」を進めようとした結果、見た目上、紙書籍の体裁をコピーした感じの、紙書籍の代替品としての電子書籍が見事に出来上がりました。
これが望まれる電子書籍の姿だったんでしょうか。

手持ちのコンテンツが電子化さえされれば中身が無秩序状態でもOK。
そんな乱暴な進められ方をしてきた10年だったな、と振り返っております。
・・・ね、たまには真面目な口調でお話しできるんです、僕。

誰にでも作れる電子書籍。
片手間でも作れる電子書籍。
中身はどうでもいいから数をとにかく増やせ!
薄利多売だー٩( ๑•̀o•́๑ )و

内職や薄利多売についての批判ではありません。
どのような働き方、稼ぎ方を選択するかに貴賤を問う意図もありません。

ただ、電子書籍は電子書籍だということです。
紙書籍の代替品ではなく、独立したコンテンツです。
紙書籍は紙書籍の良さ、電子書籍は電子書籍の良さがあります。
いい加減、対立構図は成り立たないでしょう。
そんな中、未だに作りがあまりにもお粗末な電子書籍を見かけると、さすがに悲しくなるのです。

中身を綺麗に作り直して差し上げたいと。
折角書かれている内容が良いのに、もったいないなと。

雑に作られ、いつ表示されなくなっても不思議ではないコンテンツも、きちんと手直しすれば100年先でも読めるのに、と。
*リニューアル前の当社HPは、結構大々的に「100年先にも読んで頂ける電子書籍」とか「Eternal Publishing」とか表示させていたのですが、「それが当たり前でしょ」という考え方を私たち自身がしており、だからこそ逆に、大きな文字でアピールする必要はないよね、と今は稀にひっそり、思い出したかのように(笑)100年先にも~とか申し上げることもある程度です。
リニューアル後最初の頃の記事には、ちょいちょい載せていたかもしれません(記憶は全部曖昧)。

intelligence016_line2

はい、ということで。
中身まで美しい電子書籍、私どものガイドラインの一つ目。

空白の一行を表現する際は、CSSで「margin」を調整し、電子書籍として読み心地の良い余白を入れます。

なぁんだと拍子抜けした方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、ぞっとした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
わざわざこんな基本的なことを、会社を立ち上げて一年半も経った今、ブログを始めて半年ほど経った今、なぜこいつらは書いてくるのだろうと。

もしかしたら、そんな基本的なことさえ出来ていないものなのか、と気付いて頂けたら嬉しく思います。
自分が読んでいるものはどんな風に作られているのか、自社のデータがどのように制作されているのか、危機感を持って頂けたら有難いです。

危機感を持って頂いた方はその通り。
空白行を、
<p><br/><p>
や、
<div><br><div>
で設定している電子書籍が出回っているという事実、お伝えしておきます。
*表示の安定性確保のため、上記タグを全て全角で掲載していますが、本来は全て半角です。

EPUBの中身は、WEBサイト制作で使用されているHTML形式です。
ということは、当然、WEB制作における共通の指針に従って制作することが最も安全で正確です。
HTMLファイルのスタイルを適用させるためのCSSも、もちろんW3Cに準拠して作成することになります。

brタグを使えば頭を使わなくても空白行ができるので、便利に感じられるのかもしれません。
が、brタグは「改行」の位置を示すものであって、空白行や余白を作り出すためのものではありません
正しくない文書構造での電子書籍になっているのです。

また、デザインに関わる部分はCSSで制御することが推奨されていますよね。
電子書籍をブラウザ表示で読むこともあるわけですから(ユーザーがどのような読書環境を選択するかは自由です)尚のこと、W3Cが推奨する方法に準拠し、今後電子書籍を読む手段がどのように進化変化しても、またはRSのアップデート等があっても安心して受け入れられるようにしておくことが重要です。

今、読めるんだからいいだろうヽ(`Д´)ノ
誰からも苦情が来てないから、後のことは知らないよ(# `꒳´ )

などと仰る方もいるかもですが、そんな商品・・・
電子書籍に限らずですが、自分が買わされていたらどう思うか。
安かろう悪かろうも選択肢のひとつではありますが、書籍は使い捨てではありません。
今読んで頂くためにも、将来語り継いで頂くためにも、更に発展させていくためにも、正しいソースコードの記述は大前提なのです。

お手持ちの電子書籍、仮に中身を開いてみたとして、空白行の制御といった基本的なところすら

<p><br/></p>
<div><br/></div>

で済まされていたならば、もっと複雑な体裁の箇所は壊滅的かもしれません。
どうか、内容が素晴らしい書籍がたくさんあるのですから、破壊的で暴力的な作りに妥協せず、良いもの(正しいソースで作られた書籍)を今も未来も楽しめますように。

intelligence016_line3

そんなわけで、見た目も中身もエレガントな電子書籍のための仕様を生み出し、それを「当たり前として」制作をしていますよシリーズ(仮称)第一回目は、

基礎基本にして、作り手の意識&電子書籍への姿勢がそのものずばりわかるであろう、「空白行の設定方法」にしました。

この手の話題、画像ナシでひたすら文が進んでしまうので、次回以降はなんか・・・オモテに出せそうな画像を・・・探しておかなければですね。
ひたすら文字情報でしたが・・・

ブログ終わりの挨拶

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。