05.24
未来志向電子書籍カンパニー ㈱GREEP代表取締役の不定期ブログ Vol.1
◆◇◆代表取締役略歴、諸々編◆◇◆
■1■まずは代表取締役からご挨拶をさせてください
今更!?なタイミングなんですけども・・・どうか生温かい目で見守って頂ければ幸甚です。
途中、広報氏への挑戦を感じる一言もありますが(笑)
社内の風通しが良い、と受け止めて頂けると嬉しい限りです。
初めまして。株式会社GREEP、代表取締役の柳瀬です。
設立1年が経過して、漸くご挨拶させて頂くこととなりました。
美人広報さんにだけ情報発信を任せっきりでは、代表取締役としての面目が立たないと、社内外で言われ始めています(←ココ重要 by 広報)ので、まずは私の略歴を説明させてください。
■2■ちゃんと働くようになるまでの頃
大学卒業後30歳くらいまで、広告代理店勤務、某上場企業の広告宣伝部、マーケティング部、広報部勤務など、転職と異動の繰り返しで全く一ヵ所に落ち着くことのない、自分でもよくわからない生き方をしていました。某宗教団体に56されかけるなど、謎な…しない方が幸せな…経験も沢山しました。
いきなりきな臭い話題をねじ込まれため、癒し効果の高そうなイメージ画像を差し込みます
*東京事務所の近辺です
■3■IT業界っぽいところで働いてみようと思った頃
30歳を過ぎた頃、「やっぱIT業界がこれから伸びるだろうし、楽しそうだなあ」という気楽さで、某金融系ソフトウェア開発会社のオーナーに「携帯電話Javaアプリを使った新しい通信ツール」の企画を持ち込み、IT業界に転職しました。
この頃、しきたりが沢山あるとか、上司の指示をもらわないといけないとか、そういう会社には行きたくない、という意志だけはしっかり持っていたと思います。 サーバもオラクルも、Linuxも何も知らない状況で、とりあえず、持ち込んだ企画を事業化する為に、会社の若手開発部社員数名と、この「通信アプリ」の開発を始めました。
通信アプリのイメージ写真たち
携帯電話キャリアメール全盛の頃に、「携帯メールは廃れて、いずれこのツールを皆が使うようになるんだぜ」と言いふらしながら、興味を持ってくれた企業に自社会員囲い込みのツールとしてライセンスを購入してもらうという、BtoBtoCモデル(ASP方式、と当時は言ってました。今だとクラウドサービスというところでしょうか)で事業展開をしておりました。2003年頃のことです。
(負け惜しみじゃないですが、今のLINEとコンセプトは一緒です。クーポン配信の機能などは最初から実装していました)
結果、当時パケ放題が無く、通信料の問題が大きかったこと、今のスマホのような大容量でのアプリ開発ができなかったことなどで普及に至らず、あえなく事業失敗となりました。
(負け惜しみじゃないですが、大手お菓子メーカなどに結構な金額で販売したりしてました。継続はしなかったですけど)
この時に、半分遊びみたいな感覚で始めた事業が電子書籍事業でした。
と言っても、有名カメラマンに撮影を依頼したグラビア画像を、写真集として纏めて電子書籍として販売する形でした。
当時(2006年頃)はスマホも普及していなくて、KindleHDのような専用デバイスもない時代です。
そこそこの売上はありましたが、広告宣伝費なんかも高くて、なかなか利益を上げるのが大変ではありました。
■4■会社員はもうやりたくないっっ!となった頃
ここの会社では、携帯電話通信アプリ、グラビア電子書籍など、いわゆるモバイルビジネスをかなり自由に、お金も使って、9年くらいお世話になりました。残念ながら、リーマンショックで親会社が傾いた影響などもあり、会社自体解散となり、IT業界初挑戦は失敗に終わりました。
でも、この9年間は非常に貴重な経験で、漠然とですが、モバイル系のコンテンツ事業は立ち上げてやっていけそうだな、と思っていました。
そして、これは自己資本でやらないと色々なしがらみやら忖度やらで、うまくいかない、とも思っていました。
更に言うと、会社員はもう御免だな、と思うきっかけの経験でもありました。
(別に誰かに文句を言いたいとかそういうことではないです)
■5■株式会社リ・ポジション立ち上げ
2010年1月営業開始で、株式会社リ・ポジション(以下、リポジション)という会社を立ち上げました。最初の2年くらいは、WEB制作を受注したり、グラビア写真の配信をしたりなどなど、何とかご飯を食べていく、という感じでやってました。
2012年はKindleの販売開始という電子書籍業界にとっては大きな転機の年となりました。これまでの電子書籍フォーマットは、技術的にも特殊なXMDFやドットブックなどでしたが、この年から「EPUB3」フォーマットを標準とする動きが活発化しました。WEB技術を基本としているので、参入障壁は低かったです。緊デジ.jpのようなスキャンダラス&リスキーな事業もあったりしましたが、兎にも角にも、この業界の転機は零細企業のリポジションにとってはチャンスでした。
前年の売上がそこそこあった状況の中で、それまでやっていたグラビア関連の事業を一切やめて、女性向けライトノベル配信事業とEPUB3制作受託事業を立ち上げました。
女性向けライトノベル配信事業は今ではリポジションの中心事業となっていて、昨今コミック事業も始めております。
EPUB3制作事業は、その後★GREEP設立に繋がっていくのですが、きっかけは技術評論社からの受注★でした。
■6■EPUB3制作事業のあれやこれや
EPUB3制作事業の立ち上げは、滅茶苦茶な苦難の連続でした。前職の会社でアルバイトとして働いてもらっていたN氏に手伝ってもらい仕様作成→それを技術評論社の開発担当に見せて「OK」「NG」の繰り返しでした。
タグの解釈などは正解がない場合もあり、そのあたりは難しい部分がありました。技術評論社は、日本の標準的なEPUB3制作仕様であるいわゆる「電書協仕様」ではなく、かなり厳格に「IDPF(※1)」仕様遵守でした。
((※1)現在、IDPFはW3Cに吸収されています)
日本の出版物は、そもそも海外の出版物に比べて装飾や造りが凝っていて、電子書籍化に向かないものが多いです。
単純な文字モノならばともかく、PC書やビジネス書のように画像やリンク、装飾が大量にあるような出版物の電子書籍化はかなりのコーディング知識と技術が必要でした。
最初、私も数冊、EPUB3の制作を行いましたが、滅茶苦茶時間がかかりました。で、更に言うと、(業界的にですが)単価が驚異的な安さでした。
ある日Nが、「10万円払うので、電子書籍制作を辞めさせてください」と言ってきました。
ドMの代表格だったNのこの訴えに、私は狼狽えました。
でも、自分でも制作していて、この気持ちは痛いほどよくわかりました。
ドM男は仕事を断るのに金を払うんだね、とも思いました。
この時点で、部屋の片隅には、技術評論社から送られてきた100冊程度の底本が積まれておりました。「知りたい!サイエンス」シリーズが多かったです。
可能であれば科学の力で制作作業を何とかして欲しかったですが、そこはどうにもならなかったです。
Nの申し出に、「一旦考えさせてくれ」とだけ話し、どうにか省力化ができないか、考えました。
底本データ(InDesign)から抜き出したテキストデータの加工、その後xhtmlファイルにするまでのタグへの変換など、省力化可能な部分を細かく探していくと、何となく解決策が見えてきました。
抜き出したデータはWordのマクロを使い、その後の工程は私が仕様決めし自社開発した変換ソフトウェアで対応することにしました。今までの工程に比べ、かなりの作業時間短縮に成功しました。
Nも、これならば、ということで、晴れて事業を本格的に開始しました。
その後、紆余曲折がありながらも、お陰様で、大手の専門書出版社様との取引も拡がっていき、日本で数少ない、電書協仕様ではない、IDPFほぼほぼ準拠「ホンモノEPUB3」を制作する制作会社としての地位を確立していきました。
■7■株式会社GREEP設立
2021年5月、「ホンモノ志向の電子書籍制作」「100年後にも読める電子書籍」等々を謳い文句に株式会社技術評論社とリポジションとの合弁会社として、EPUB3制作会社「株式会社GREEP」を立ち上げました。
スタッフはリポジションからの転籍組&新規採用組となっております。
GREEPは、技術評論社と更に提携を強め「ホンモノ志向」電子書籍を業界内に拡大していきたいということを主旨に設立しております。BtoB営業が必要なEPUB制作事業と、リポジションの電子書籍配信事業(=BtoC)との親和性が薄まったという理由もありますが、基本的には前向きな分社化です。
私自身が目指しているのは、今後の日本の電子書籍市場において、きちんとしたEPUB3を制作できるエンジニアを育成、輩出し、更なる電子書籍業界の未来を作っていくことです。
もっと電子書籍制作者がプライドを持ち、好待遇で働く環境を獲得し、進歩的でエレガントな業界にしていきたいと思っています。
紙書籍とは違ったメリットを持つ、例えば音声も動画もネット通信も可能な電子書籍を普及すべく、GREEPを成長させていこうと思っています。
■8■ブログ第1回目のまとめ
簡単ではありますが、自己紹介、GREEP設立までのいきさつなどをお話させて頂きました。
まだまだ零細企業の域を出ませんが、電子書籍制作、その他、電子書籍に関わる色々な事業にチャレンジしていきます。
社員一人一人の成長の総和が企業の成長の素だと思ってます。
何となくこのホームページに辿り着いた方もいらっしゃると思いますが、電子書籍で何か面白そうなことをやっているGREEPって会社があるんだな、と頭の片隅において頂けると、諸々晒した甲斐があります。代表冥利に尽きます( • ̀ω•́ )✧ キリリッ
また忘れた頃に、メッセージを発信できればと思っております。
「口幅ったいかもしれませんが先端をゆく良き会社であることを前面に押し出した、イイ感じのコラムをお願いします!」
と平身低頭でお願いしたら、なんだか火傷覚悟のブログ記事が届きました。
しかしそれも味。
弊社代表の真実であり、実際、こんな感じのお人でございます。
大変な思いを沢山なさったでしょうに、一切それを感じさせない、全然同情する気にならないのが代表の素晴らしいところだと思います。
お陰様で今、GREEPが存在しているので感謝しておりますよ、念のため明文化しておきますが。
*文中に登場する「N」氏は、広報さんも大変お世話になりました。
人前に出ることを恐れない人見知り。知識の共有を喜びとする占有者。
お前は一体何を言っているんだと思われそうですが、両極端を地で行く不思議な魅力に溢れたお人です。間違いなく電子書籍界のプリンスです。しかしまさか…自由を得るために10万円払おうとしていたとは知らず。計り知れないスケールです、驚愕。尊敬。
それでは、「時代を先走り過ぎた」我らが代表の不定期ブログ。
次回はいつになるかお楽しみにして頂ければ嬉しいです。
お読み頂き有難うございました!
コメント
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初めてに近い情報発信です。
皆さん宜しくお願いします。