07.05
EPUBの画像素材(を色々試すのは結局楽しい)
2022年5月3日に「トライ!WebPの圧縮率イロイロ(試し過ぎて目がやや迷子)」という記事をアップしているんですが、まずあれから2ヶ月経過している事実にOH(;^ω^)なんですけれども、、、
そもそもウェッピーウェッピーと(広報氏が勝手に)騒ぎ始めたのは、EPUB 3.3の草案が出たのがきっかけです。
ドラフトの更新が何度かかかり、最近だと2022年6月24日に更新されているようですね。
EPUB 3.2の仕様にはWebPに関する記載がなかったので、3.3の草案で「WebP」と目にした時は心躍りました。
・・・となれば、草案と仕様の差はあれど、WebPを使ってEPUBを生成してみたくなるのが人の性(さが)というものじゃないですか。
前回のWebP記事から2ヶ月も空いているのでお察し頂けると思いますが、WebPを内包したEPUBは、EpubCheck(4.2.6)でエラーが出てしまうものですから、なんとかノーエラーにしようと画策していて、あっという間に時間が経過していたんですよ・・・
しかし、いつまでもWebP記事が止まったままなのもつまらないですし、ノーエラーじゃなきゃ記事にできないわけでもないってことで!(GoGoタイプ)
今後はただ「新しい種類の画像を入れてみよう」というだけではなく、当社の本質である「高品質」に、WebPの使用に対する意識をシフトしていくためにも、未完成ながら現状を一旦記事化しておこうと思った次第(備忘に近いかもです)。
EPUB3.3の草案に新しい項目が追加されたということは、追加するメリットがあるわけで。
今回仲間入りしたWebPならば、ファイルサイズを抑えても画質が良いというところですよね。
実証すべく諸々試しているのですが、特にコミックデータや各書籍図表の複雑さ・色数の多さによっては、WebPでもファイルサイズを小さくすると、思ったより粗さが目立つなぁ…というのが実感です。
(書籍情報保護のため、検証画像を公開できずにすみません(ノTДT)ノ)
しかしこれ、きっと解決方法がある筈という手応えがあったりなかったりするので、このあたり、こだわって引き続き検証したいと思っています。
ということで、画質方面へガッツリ進む前に、ひとまずEPUBにWebPを含めるとエラーが出るという現状報告をば。
アホっぽいご報告に見えるかもですが、この積み重ね(と目減りすることのない我がテンション)がある日「ノーエラー」に結び付くと信じており。
(というか、そもそもEpubCheckはWebPを認識しているのだろうか、という現実的な不明点は残ってます。こればかりは広報氏の心持ちではどうしようもないので。)
普段、当たり前に画像はjpgデータを使用してEPUBを制作しているので、改めて仕様(と草案)を読んで、gifやpngでまるっとEPUB化すると、電子書籍として画質に差ができるのかしら?そしてファイルサイズはどうなるのかしら?と気になりまして。
WebPバージョンのEPUBを試すなら、せっかくなのでjpg以外の種類の画像でも試してみようと。
どんぶり勘定人間の本領発揮的思考回路です。
■■■■■ざっくり検証内容■■■■■
- 幅1400px×高さ1973pxのコミック用画像4枚を使用
- 4枚のうち1枚は書籍のカバー画像なのでフルカラー(他はモノクロ)
- 確認に使用した実機(アプリ含む)は
Kindle Previewer(3.66.0)
Kindle desktop(1.37.0)
Kinoppy for Windows Desktop(3.2.18.DD6A355)
超縦書(2.3.1)
Thoriumリーダー(2.0.0.0)
calibre(5.32)
■■■■■■■■■■
【WebP】で作成したEPUB
・EpubCheckの結果:「チェックは終了しましたがエラーが検出されました」
・Kindle Previewerはエラー表示となり、Kindle desktopでの検証も不可
「変換エラーにより、Kindle Previewerでこの本をプレビューできませんでした。詳しくは、変換ログを参照してください。」
・Kinoppy for Windows Desktop:EPUBが開けない、すぐにアプリが閉じてしまう
・超縦書/Thoriumリーダー/calibre:問題なく表示され、可読性は悪くない
【PNG】【GIF】で作成したEPUB
・EpubCheckでのエラーはナシ
・使用した全ての実機で問題なく表示され、可読性も良好
【BMP】で作成したEPUB
・EpubCheckでのエラーはWebPと同内容
・使用した全ての実機で問題なく表示され、可読性も良好
【TIFF】で作成したEPUB
・EpubCheckでのエラーはWebPと同内容
・Kindle Previewerはエラー表示となり、Kindle desktopでの検証も不可
「変換エラーにより、Kindle Previewerでこの本をプレビューできませんでした。詳しくは、変換ログを参照してください。」
・Kinoppy for Windows Desktop:問題なく表示され、可読性も良好
・超縦書:開きはするが、真っ白な画面のまま動かない
・Thoriumリーダー:本棚に書影が出ない、本編は読めない(真っ白な画面になる、一部代替画像がボヤけて映る)
・calibre:本棚に書影は出るが、本編は読めない(真っ白な画面になる、一部代替画像がボヤけて映る)
■■■■■■■■■■
当然ながらpngとgifはエラーもなく、可読性の良い電子書籍(コミック/フィックス版)ができました。他の画像ではチェッカーのエラー種類は同じですが、各実機で表示されたりされなかったり。
そして特筆すべきは、ファイルサイズ。。。
元々は600dpiの大サイズ版面データ(psd)を、上記のように幅1400px×高さ1973pxに揃え、各画像を保存する際にオプションがあれば高品質を選びました。
【各EPUBのファイルサイズ】
・jpg使用:2745KB
・png使用:6883KB
・gif使用:2325KB
・bmp使用:6735KB
・tiff使用:7937KB
・webp使用:990KB←←←←←
普段使用しているjpgを基準とすると、gifがサイズ的には一番近く、pngとbmpが跳ね上がり、tiffは更にその上を行く跳ね方。
しかし注目すべきはそれらではなく、やはりというか驚きというか。
webp、WebP、ウェッピーよ!
jpgの1/3近くまでファイルサイズが抑えられています。
「高品質」を選択したり圧縮率を少なめにしたりしているので、画質自体は、どの種類の画像も全体的に良いです(モアレ回避等しっかりできています)。
その状態で、WebPのファイルサイズのコンパクトさ!
これは幸先が良いですね、とても楽しみ。
今検証しているEPUBの中身は、カバー画像(フルカラー)1枚+グレースケール(をRGBに変換)3枚のみですが、実際に電子コミック(フィックス型EPUB)や、図表が多く複雑なデザインの技術書・実用書等(リフロー型EPUB)ですと、ページ数がとても多くなるので、WebPをフル活用してファイルサイズを下げられるようになると本当に嬉しいです。
電子書籍のDL~開いて読み始めるまでの初動、画像が軽くなってファイルサイズが抑えられればタイムロスがゼロに近付いていきます。
(もちろん、読書中のページ送りにも好影響が見込めます)
間違いなくユーザーファーストの電子書籍制作の一助となると思いますので、引き続き、いろいろと試しては記事としてお知らせしていきますね(*´꒳`*)
コメント
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WebP可能性感じます。もっとレポートください。
お読み頂き有難うございます!
検証内容や結果は惜しみなくお伝えしていきますので、今後も記事アップしたらぜひご覧ください(*^-^*)
画質の比較をお伝えしやすいように、オープンにできる画像で試していきますね。